例年この時期から、True Japan Schoolでも旅行業務取扱管理者試験のお問い合わせが増えます。旅行業務取扱管理者というものをその年に初めて知って試験に臨まれる方も多いのではないでしょうか。
このページでは過去問一覧とともに、試験ではどのような問題が問われていくかを解説します。過去の出題傾向を知っていると知らないとでは、この試験の合格には大きな差が開いてきます!ぜひご覧ください。
まず基本的な知識ですが、旅行業務取扱管理者になるには以下の条件を満たす必要があります。
試験全体の傾向などに関しては、こちらのブログをご確認ください。
試験科目 | 時間 | 配点 |
合格基準 |
旅行業法及びこれに基づく命令 |
合計 120分 |
各 100点 |
各科目 6割 |
旅行業約款、運送約款及び宿泊約款 | |||
国内旅行実務 |
試験科目 | 時間 | 配点 |
合格基準 |
旅行業法及びこれに基づく命令 |
合計 80分 |
各 100点 |
各科目 6割 |
旅行業約款、運送約款及び宿泊約款 | |||
国内旅行実務 |
合計 120分 |
||
海外旅行実務 | 200点 |
試験は原則4択のマークシートになります。各科目でそれぞれ出題の仕方にも特徴がありますので、過去問の一例をもとにしながらイメージを掴んでいきましょう。
問1 次の記述から、法第1条「目的」に定められているもののみをすべて選んでいるものはどれか。(H29・国内)
a 旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進
b 旅行業等を営む者の業務の適正な運営の確保
c 旅行業等を営む者の適正な利潤の確保
d 旅行業等を営む者についての登録制度の実施
旅行業法の科目は他科目と比較して、解きやすい傾向にあります。問題の文字数も少なく、出題の傾向はほぼ変わりません。出題のトピックとしては、例年、「旅行業の定義」「登録制度」「営業保証金」「旅行業務取扱管理者」「標識」「取引条件の説明」など非常に似た内容の出題がされています。
ただ、平成30年度からの試験に関しては旅行業法改正により、「旅行サービス手配業者」などの最新の情報が必要となるので、しっかり最新情報を掴んでいきたい科目になります。
問3 募集型企画旅行契約の部「契約内容の変更」「旅行代金の額の変更」に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。(H29・国内)
a 旅行業者は、天災地変その他の旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合において、旅行の安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ないときは、旅行者にあらかじめ速やかに当該事由が関与し得ないものである理由及び当該事由との因果関係を説明して、旅行日程、旅行サービスの内容その他の契約の内容を変更することがある。ただし、緊急の場合において、やむを得ないときは、変更後に説明する。
b 宿泊機関が宿泊サービスの提供を行っているにもかかわらず、部屋の不足が発生したことから、旅行業者が契約内容の一部を変更し、旅行の実施に要する費用が増加した場合には、旅行業者は、当該旅行業者に過失がない場合に限り、その増加した費用の範囲内において旅行代金を増額することができる。
c 旅行業者は、運送・宿泊機関等の利用人員により旅行代金が異なる旨を契約書面に記載した場合において、契約の成立後に旅行業者の責に帰すべき事由によらず当該利用人員が変更になったときは、契約書面に記載したところにより旅行代金の額を変更することがある。
この科目では、旅行業を営む上で知っておくべき、「約款」について正しい知識を問われます。選択肢が長文で読むのも辛そうに見えますが、キーワードのすり替えがあるだけのパターンが多いので、過去問に一通り取り組むと、素早く違いを見つけられるようになりますよ。
出題の割合としては「旅行業約款」が8割、「その他の約款」が2割が目安となります。「旅行業約款」においては、出
題のほとんどは「募集型企画旅行」や「受注型企画旅行」に関する契約の部から出題されます。
その他の約款に関しては、国内試験ではバス・フェリー・航空(国内)・宿泊・JRに関する約款が各1問、総合試験では国内航空・国際航空・宿泊に関する約款が各1問出題される傾向にあります。
問4 以下の各設問の行程について、前後に最も近い観光地を、選択肢の中からそれぞれ1つ選んでを埋め、モデルコースを完成させなさい。(H29・国内)
大津駅 ― 多賀大社 ― 長浜港 ― ? ― 長浜駅
ア. 生口島 イ. 仙酔島 ウ. 竹生島 エ. 答志島
問18 次の観光地等とテーマパーク等との組合せのうち、同一都道府県にある組合せをすべて選びなさい。(H29・総合)
a 高尾山 − 東京ディズニーランド
b 香嵐渓 − レゴランド ジャパン
c 六甲山 − ユニバーサル スタジオ ジャパン
d 壱岐島 − ハウステンボス
国内旅行実務は大きく「観光地理」と「JR・バス・フェリーの運賃料金計算」に分かれます。この国内旅行実務と海外旅行実務は上記2つとは異なり、科目合格の制度があります。(合格していると翌年のみ免除となります。)
海外旅行実務の出題例では、難問と呼ばれる「国際航空運賃」を取り上げてみました。いかがでしょうか?他の科目の出題とは難易度がはるかに異なることが見て取れると思います。生半可な勉強では太刀打ちできないのが、この国際航空運賃です。
しかしながら、この「国際航空運賃」問題でも解答のパターンは存在します。難問と言っても、過去問と大きく傾向は変わらないので、過去問を繰り返し解くことが突破に繋がります!
いかがでしたか?旅行業務取扱管理者試験は、難易度に差はあれど国内科目と総合科目、双方勉強量が多い試験になります。ただ過去問をこなしていけば、ある程度出題傾向が掴みやすい試験になりますので、まずは一通り過去問を解いてみることを強くお勧めします。
国内科目・総合科目の過去問は解答も一緒に下記に列挙しましたので、是非一度トライしてみてくださいね!