世界遺産登録寸前!「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」

5月4日に文化庁より発表あり!

 5月4日に文化庁のサイトにて、世界遺産委員会の諮問機関であるICOMOSから「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産は記載が適当」との勧告がありました!これで世界遺産登録がぐっと目の前に近づきましたね!

 ちなみにICOMOSの評価には以下の4つの区分があり、今回のキリシタン関連遺産は非常に高く評価されていることが伺えますね!

 

  1. 記載(Inscription): 世界遺産一覧表に記載するもの。
  2. 情報照会(Referral): 追加情報の提出を求めた上で次回以降に再審議するもの。
  3. 記載延期(Deferral): より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要なもの。推薦書の再提出後,約1年半をかけて再度諮問機関の審査を受ける必要がある。
  4. 不記載(Not to inscribe): 記載にふさわしくないもの。(世界遺産委員会で不記載決議となった場合,例外的な場合を除き再推薦は不可。)

出典:文化庁ホームページより


「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」は登録延期に…

 ちなみに時を同じくして報告待ちだった「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」は登録延期になってしまいました…。こちらは自然遺産の登録を目指していましたので、ICOMOSではなくIUCNという諮問機関が現地調査を行います。こちらの評価も4区分あり、今回の結果は下から2番目の「登録延期(推薦書の本質的な改善が求められる)」という厳しいものでした。

 

 これらの島には、西表島にしか生息しないイリオモテヤマネコや、飛ぶことができないことで有名なヤンバルクイナが生息しており、希少性はやはり高いですね!今後の登録も希望を捨てず、心待ちにしたいものです。

どの点が評価された?

 やはり評価の高い点としては、江戸幕府の禁教政策の下で、独特の文化的伝統を育んだ軌跡を感じることの史跡が多くある点だと文化庁は発表しています。その痕跡が顕著な構成資産の例は以下の通り。(文化庁ホームページ抜粋)

 潜伏キリシタンの文化的伝統が形成される契機となる出来事が考古学的に明らかにされている原城跡,潜伏キリシタンが密かに信仰を維持するために様々な形態で他の宗教と共生を行った集落(平戸の聖地と集落・天草の﨑津集落・外海の出津集落・外海の大野集落),信仰組織を維持するために移住を行った離島部の集落(黒島の集落・野崎島の集落跡・頭ヶ島の集落・久賀島の集落・奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)),潜伏キリシタンの伝統が終焉を迎える契機となった出来事が起こり,各地の潜伏キリシタン集落と関わった大浦天主堂から構成される。

こちらが原城跡


Q. 構成資産に含まれていない天主堂はどれ?

A. ○○天主堂

B. ○○天主堂

C. ○○天主堂


 答え

A. 浦上天主堂(構成資産ではない)

B. 江上天主堂(構成資産)

C. 大浦天主堂(構成資産)