自分でとったメモが読めない…
この悩み、笑い話のようで、毎年多くの受験生に立ちはだかる悩みだと思います。必死にとったメモを読み返したら、いつの間にか文字化けしている…
そんな悩みをはじめとして、通訳案内士試験で初めて通訳に触れる方のよくある悩みとそれらを解決するコツを、外務省の研修講師を務めたご経験もあるTrue Japan Schoolの看板講師、日髙先生に伺いました!
メモと再現について
自分で必死にとったメモが読めません…。
聞こえたものにすぐに飛びついて次々にメモを取ると、全体ではまとまりのないものになって再現が難しくなります。問題文が読み上げられても、ある程度ガマンして、意味が区切れたと思ったら、さっと書きましょう。
1センテンスごとの繋がりをもっと上手く記憶できたらなあと思うんですが…。
一番効果的なのは、接続詞や時制を丁寧に盛り込むことです。逆接(しかしながら~、とかでも~)や順接(ですので~、とかだから~)は、文章の流れを覚えておくのにかなり役立ちます。演習をするときにそう言った言葉が出てきたら、確実に書き下ろしたほうがいいですね。
なるほど!そういったマーカーはいつでも出会いそうですね。オリジナルの記号を作っておくようにします。
ところで、通訳のメモと言えば、必ずと言っていいほど、記号の話が出てくるのですが、それほど大事なのですか?
記号が大事というよりは、「ヴィジュアライズ」することが大事なんです。人間、文字で理解しようとするより、ぱっとそのイメージを見たほうが理解も思い出すのも簡単ですから。
文字情報より、一目見てわかるものを!
【例】
鴬張りの廊下を渡ったその先にある大広間には、
狩野派による華麗な襖絵や障壁画があります。
自分がわかる範囲でヴィジュアライズできれば大丈夫です。下の絵は、TJSスタッフが即興で描いたかなり汚い絵ですが、描いた人からすると「キイキイ」が鴬張りでドアが襖絵など、書いたメモを読み直すより、はるかに早く思い出せます。
通訳部分のはじめと終わりは、特に記憶から遠ざかるので、ここを取り分け大事にヴィジュアライズして書き付けてください。滑り出しに時間がかかってしまうと、再現がますます難しくなるのは、皆さんご存知かと思いますので。
今回は、メモ取りの仕方とその再現の仕方について、まとめました。次回は、訳出するときに気を付けるべきポイントに触れていきます!
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